その昔、1613年(慶長18年)徳川家康が征夷大将軍だった頃、日本人として初めて太平洋と大西洋を横断してスペインへ公式使節団が派遣されました。その目的は、当時スペイン領であったメキシコとの通商関係の樹立。日西関係の端緒となる重要な出来事として歴史に刻まれています。それから400年の時が経ち、日本とスペインの相互国において文化事業をはじめ政治経済、観光、教育など幅広い分野で交流事業が行われます。
小笠原伯爵邸では日本スペイン交流400周年の記念すべき年に、ガーデンの中心に新しくオリーブの木を植樹しました。推定樹齢500年の大木で、スペインのアンダルシアより海を渡ってやってきたシンボルツリーは、しっかりと根付き、青々とした若葉を実らせます。
2013年9月25日、この年のスペインナイトと同日に行われたお披露目の除幕式では、在日スペイン大使にもご出席いただき「このオリーブの木が来たことによってここは完成された。これからもずっと見守ってくれる存在でしょう」と、温かいメッセージを頂戴しました。本国スペインではオリーブの樹齢は2000年や3000年は珍しいものではなく、500年のこの木はこれから長い時間、日本とスペインの交流、そして小笠原伯爵邸を見守ってくれる願いも込めたお言葉でした。
当邸では芸術や食文化をご紹介するイベントを積極的に行い、皆様とスペインとの橋渡しをさせていただこうと存じております。